企業行動・供給曲線
●費用曲線
費用曲線がU字になっているのは「限界費用」という概念が存在するためです。
限界費用にはある生産量までは逓減し、ある生産量を超えると逓増する分岐点があります。
(例えば工場の設備がフル稼働となった場合、生産量をさらに増やすために設備費用や人件費が増加し、生産量あたりの費用増加率が上昇します)
この限界費用は可変費用部分から算出されるため、固定費用は含まれません。
また、費用曲線には「平均費用曲線」と「平均可変費用曲線」があり、
共に生産物1単位あたりの平均費用、平均可変費用となります。
●利潤最大化
限界費用曲線から利潤最大化を考えるときは「完全競争市場」を前提とします。
これはある企業が供給量を増やしても市場価格に何ら影響を与えない環境を意味します。つまり企業は市場価格を受け入れるしかない状態(プライステイカー)となります。
利潤最大化条件:価格=限界費用
平均費用と価格の間が「利潤」になり、限界費用曲線が平均費用を超えてこないと利潤が発生しません。
また利潤がちょうどゼロになる点を「損益分岐点」、利潤がマイナスで、企業が生産活動をストップしてしまう点を「操業停止点」と言います。
既存企業の場合は固定費用の投資を行っているので供給曲線は操業停止点から、
新規参入企業の場合は固定費用の投資がまだなので供給曲線は損益分岐点から始まります。
●課税効果
量に応じて課税する「従量税」は課税前の供給曲線が上方にシフトします。
金額に応じて課税する「従価税」は課税前より傾きが急になります。