経営基盤強化
●経営資源の強化
・雇用に関する助成制度
1.雇用調整助成金
景気変動により事業縮小を余儀なくされた企業が休業や出向を行うことで雇用維持をする際に費用の助成を行います。休業手当または賃金相当額の2分の1(中小法人は3分の2)の助成率となります。
障碍者等、就業が困難な人や65歳以上の離職者再雇用支援として出される助成金です。
3.試行雇用奨励金
職業経験の不足などから就業が困難な求職者をトライアル雇用(原則3ヶ月)する場合に支給される助成金で、4万×3ヶ月が限度額となります。
4.キャリアアップ助成金
5.中小企業退職金共済制度
事業者が共済へ加入し、毎月掛金を支払うことで退職金の準備をする制度で、掛金は損金算入でき、全額非課税となります。
●ものづくり支援
・中小ものづくり高度化法
鋳造、メッキ、プレス加工などの「特定ものづくり基盤技術」を促進するもので、経済産業大臣の認定を受けると補助金、低利融資、特許料軽減などの優遇が受けられます。
・戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)
中小ものづくり高度化法の計画認定を受けた中小企業者や小規模事業者が大学や公設試験研究機関と連携して行う製品開発を支援するものです。
「補助金型」と「プロジェクト委託型」があり、前者は4,500万円(3年間合計で9,750万円以内)、後者は年間1億円以内の補助金が受けられますが、委託型は国が指定するテーマに沿った開発という条件があります。
●IT化支援
・戦略的CIO育成支援事業
ITベンダーの活用がうまくいっていない中小企業者へCIOを派遣し、経営とIT両側面からコンサルティングを行う支援です。CIOは日当17,500円で、派遣期間は半年から1年です。
・J-Net21
中小企業向けポータルサイトで、支援情報や成功事例などの情報をインターネットで公開しています。
●知的財産に関する支援
・INPIT知財総合支援窓口
中小企業の知的財産に関する悩みや課題のための相談窓口です。
・特許料軽減
中小ベンチャー企業、小規模事業等の特許審査請求料、特許料、国際出願手数料を3分の1に軽減する支援があります。
また、国際出願はその他にも費用がかかりますが、これを2分の1以内かつ300万円まで補助する「中小企業外国出願支援事業」も行われています。
・特許情報プラットフォーム J-PlatPat
特許情報の審査状況や公開情報の確認ができるWebサイトです。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
●国際化支援
・JAPANブランド育成支援事業
地域一丸となって海外で通用するブランドを実現する取組を支援する事業で、商工会、組合、NPO、中小企業が対象となります。
戦略策定支援:マーケットリサーチや基本戦略に関する支援。上限200万円
ブランド確立支援:新商品開発や展示会出展などのサポート。上限2,000万円
●連携・共同化支援
4者以上が集まり、共同で生産、加工、販売事業を行うための組合です。
・企業組合
4者以上が集まり、創業するための組合です。株式会社同様有限責任となります。
・協業組合
既存事業を統合して協業する組合です。合弁と違い、一部事業のみの協業も可能です。
※これら3種の組合は株式会社へ組織変更が可能です。
・商店街振興組合
商店街構成者の30人以上が経済事業、環境整備事業を行うための組合で、法人格を得るため、助成金や融資などの優遇が受けられます。
※その名称中に、商店街振興組合という文字を用いなければなりません。
●高度化事業
中小企業の連携事業への貸付や助言を行う事業です。
中小企業基盤整備機構と都道府県が主体となり、中小企業や商工会、公益法人を融資対象とし、工業団地や物流センター、第三セクターと言われる商店街や技術開発センター等の改善事業です。
なお、貸付にあたっては都道府県が事業計画に対して中小企業診断士などの専門家を通じて診断、助言を行います。
高度化事業貸付の貸付対象は設備資金で、貸付割合は原則として80%以内です。
●地域支援
・中小企業地域資源活用促進法
地域資源による商品開発をする中小企業者を対象に、資金面の補助や商談会・アンテナショップへの出店誘致などの支援を行います。
制度利用にあたって活用事業計画の策定と経済産業局の認定が必要です。
・農商工等連携促進法
中小企業と農林漁業者の連携を支援するもので、費用補助や設備投資の課税特例などの支援を行います。
制度利用にあたって連携事業計画の策定と国の認定が必要です。