生産計画・生産統制
●生産計画
生産計画とは製品の生産量と生産時期を決定するものです。
つまり納期や生産量の調整、適切な稼働率の維持、材料調達、機械設備、人員の手配を行えるようにします。
生産計画は手順計画、工数計画、日程計画に分かれます。
また、生産計画は大中小計画に分類でき、年単位、月単位、週日単位が大中小となります。
●スケジューリング
日程計画ではスケジューリングを行います。スケジューリングにはフォワードスケジューリングとバックワードスケジューリングがあり、前者は作業の開始時点から、後者は作業の完了時点から順番に予定を組んでいく方法です。バックワードの方がより納期を意識したスケジューリングとなります。
●スケジューリング手法
・プロジェクトスケジューリング
個別生産形態に用いられる手法です。
こちらには「ガントチャート」「ネットワーク手法」が主な手法となり、
前者は作業ごとに日程計画を帯グラフで並列、管理します。
後者は代表的手法として「PERT」があり、作業の開始、完了点を丸、作業を線で表し紐付けして経路図を作成していく手法です。また作業開始、完了点には最早着手日と最遅着手日が記載され、最早着手日から最終作業完了点までの合計日数を算出したのち逆算して最遅着手日を算出します。最早着手日=最遅着手日となる経路を「クリティカルパス」と呼び、遅延が許されない経路であることから重点的に管理する必要があります。
・ジョブショップスケジューリング
多種少量生産形態、つまり機能別レイアウトの場合に多く用いられる手法です。
代表的な手法として「ジョンソン法」があり、これは前作業、後作業と順序が決まっている2つの工程で複数製品を生産する場合に使用します。
作業時間が最短の作業から前作業であれば先頭、後作業であれば最後に、順番に配置していくことで最短合計作業時間が算出できます。
・フローショップスケジューリング
少種多量生産形態、つまり製品別レイアウトの場合に多く用いられる手法です。
・サイクリックスケジューリング
一定の周期で繰り返し生産を行うスケジューリング手法のことです。多品種の混合組立ラインで利用されるスケジューリング手法で、多品種ロット生産ではいくつかの品種を順番に繰り返し生産する方法です。
●需要予測
受注生産ではなく見込生産の場合、需要予測の精度を上げることで在庫過多による廃棄や在庫不足による機会損失を防ぎます。予測方法には下記の方法があります。
・単純移動平均法
過去数ヶ月間の平均値を取ることで需要を予測する方法です。
・加重移動平均法
単純移動平均法の各月数字に「重み」を掛けて平均を出します。
過去数ヶ月間の数字の中でもより重視する月を分けるのが「重み」になります。
・指数円滑法
今月の予測数字と実績数字を使って需要予測を行います。
来月予測値=今期予測値+平準化指数×(今期実績値−今期予測値)
平準化指数とは「直近の実績をどれくらい重要視するか」を表す指数で、
大きくなる程過去の実績を重視する結果になります。
●生産統制
生産統制には進捗管理、現品管理、余力管理があります。
進捗管理は日程計画に対する進捗状況の確認、現品管理は部品や仕掛品の運搬、保管状況の確認、余力管理は工程や作業者の負荷の確認です。
●管理方式
・製番管理方式
受注生産形態で多く取られる方法です。製品を構成する全ての部品に同じ番号を割り振って管理します。
・追番管理方式
生産順に通し番号を割り振る方法で、累計生産台数を把握できます。
後工程引取方式を採用するための手法です。「生産指示かんばん」と「引取かんばん」
の2つの看板を駆使して従来とは逆に後工程から前工程に生産指示を出すため、仕掛品が少なくなるというメリットがあります。
かんばん方式はトヨタ生産方式が代表例で、トヨタ生産方式ではジャストインタイム(必要な部品を必要な時に必要な分だけ)と自働化(異常発生時に機械が自動的に停止し、不良品の発生を阻止する)という思想に基づいています。