プロモーション
●マーケティングコミュニケーションとプロモーションミックス
プロモーションとは製品情報をどのように伝えるかを扱います。このような情報の送受信をマーケティングコミュニケーションと呼び、プロモーションの要素である、
「広告」「パブリシティ」「人的販売」「販売促進」をプロモーションミックスと呼びます。
プロモーションミックスには広告とパブリシティを組み合わせたプル戦略(顧客を誘き出す)と、人的販売と販売促進を組み合わせたプッシュ戦略(顧客へ売りつける)があります。
●広告
広告には消費者向けの消費者広告、法人向けの産業広告、流通業者向けの流通広告があります。
・広告開発プロセス
①広告目標
認知度を高める、ブランドスイッチを狙う等、広告を打つ目標をたてます。
②広告予算
予算決定方法には売上高比率法、支出可能予算法、競合企業対抗法、タスク法があります。タスク法とは広告目標達成に必要な広告費を見積もり、予算とする方法です。
③メッセージ開発
広告に落とし込みたいメッセージを決定します。
・広告媒体の選択
I:マスコミ広告
新聞、テレビ、ラジオ、雑誌広告の4種類があります。
II:SP広告
ダイレクトメール、屋外広告、インターネット広告があります。
インターネット広告にはポータルサイトに表示されるバナー広告や、検索エンジンでの検索時に表示される検索連動型広告などがあります。
・広告の効果
広告には接触効果、心理効果、売上効果という3つの効果があります。
接触効果を測定する指標にはリーチ(広告の到達率)とフリークエンシー(1人あたりの広告平均視聴回数)があります。
●パブリシティ
パブリシティとは、ニュースに取り上げられることを目的とし、テレビや新聞などのメディアに働きかけることです。メリットは広告コストや安価であることや消費者の信頼性が高いこと、デメリットは事実と歪曲してしまったりと企業側がコントロールできないことです。
●人的販売
人的販売は文字通りマンパワーで販売するプロモーションです。直接顧客と相対しますので、顧客ニーズに個別対応できる事がメリットですが、対応できる顧客数に限りがある事、販売員のスキルに応じて売れ行きがブレるのがデメリットです。
また、新規顧客獲得販売員をオーダーゲッター、既存顧客から受注を獲得する販売員をオーダーテイカーと呼び、必要なスキルが変わってきます。
●販売促進
・消費者向け販売促進
サンプル:試供品絵を無償で提供する
プレミアム:景品やクーポン等
ポイントカード:ポイントに応じて割引や景品と交換
会員カード:会員のみの割引キャンペーン等
カタログ:販売員がいなくても商品説明ができるツール
・流通業者向け販売促進
リベート:取引後のキャッシュバック
アローワンス:広告、陳列に協力してもらった場合の割引
リテールサポート:販売店への経営支援をする事
・社内向け販売促進
社内販売コンテスト:販売員同士を競争させて優秀な販売員を優遇
販売マニュアル:販売能力を高める
●関係性マーケティング
関係性マーケティングとは新規顧客開拓ばかりではなく既存の顧客との関係性を深めて、顧客の維持に努める考えです。
・CRM
顧客の関係を深める事で収益を拡大しようとするマーケティング手法です。
・LTV(ライフタイムバリュー)
顧客生涯価値という意味で、長期間に渡って利益をもたらしてくれる優良顧客を優先的に対応する事で収益性を高める考え方です。
・RFM
最新購買日、購買頻度、購買金額に着目して優良顧客を抽出する手法です。
・FSP
頻度のみに着目して優先顧客として優遇する手法です。
・ワントゥワンマーケティング
顧客に個別対応していくマーケティングです。この手法では市場シェアではなく、顧客シェアの拡大を狙います。顧客シェアとは1人あたりの顧客が購入する金額の中で自社が占める割合のことを指します。具体的には下記の2手法があります。
①データベースマーケティング:顧客の属性をデータベース化し、累計購買金額に応じた割引や過去に購入した商品の関連商品などを提案します。
②マスカスタマイゼーション:大量生産のスケールメリットを活かしつつ、部分的に顧客ごとのカスタマイズを図るマーケティングです。(セミオーダースーツを思い浮かべると分かり易いです。)
メーカーが消費者に直接行うマーケティングです。
テレマーケティングとインターネットマーケティングの2種に分かれ、
テレマーケティングには顧客が企業に問い合わせ、購入するインバウンドと、企業が顧客に架電の上営業するアウトバウンドがあります。
インターネットマーケティング手法のうち、ネットショップは自分のホームページもしくはバーチャルモール(例:楽天)に出店する方法なのに対し、ネット店舗と実店舗を組み合わせたクリックアンドモルタルという手法もあります。
●サービスマーケティング
モノではなくサービス(無形材)にはいくつか特性があります。
無形性:見たり触ったりできない
不可分性:同時性とも言い、サービスは生産と消費が同時に行われる
変動性:サービスの品質は一定ではなく、提供者の腕で変動する
非貯蔵性:サービスはストックしておくことはできない(同時性)
●サービス特性への対応
・品質向上
マニュアル化や教育訓練を実施し、変動性を克服します。
サービス提供者をコンタクト・パーソネル(CP)と言い、彼らの満足度を高めることも品質向上の一助となるとされています。
・生産性向上
需要の調整(予約を均一に満遍なく埋める、繁忙期と閑散期の売り上げを平準化する)
をする事が生産性向上のカギになります。
また、供給能力の改善(例:繁忙期は非正規雇用者で人員補充する)も生産性向上につながります。
・サービスマーケティングの組織
エクスターナル:企業と顧客のマーケティング
インターナル:企業とCPのマーケティング